残業代を出さない理由を個人の能力のせいにするのはおかしい

残業代が出ない ブラック企業

ブラック企業の代名詞とも言える『サービス残業』

何かと理由を付けて残業代を出さない会社は世の中にクサるほどある。

 

ウチの会社も例にもれず残業代がでないんですが、その理由は「仕事が終わらないのは個人の能力の問題だから」というもの。

つまり、

残業したくなかったら仕事を早くさばけるようになればいいだけで、定時に帰れないのはスキルが低いお前が悪い。そんな個人的な理由で給料を払ってられるか!

ということです。

 

この「残業するのもしないのも、お前次第だろ」という自己責任論は、長時間労働が蔓延化している職場ではよく聞く話。

ブラック企業で働いている人なら一度は耳にしたことがあると思う。

 

しかしそんな戯言に耳を傾けてはいけませんよ。

 

これは一見、正論のようにも思えますが、ハッキリ言って搾取されているだけです。「確かに俺の要領が悪いだけだしなぁ」なんて思うことはありません。

 

残業代を支払わないのはれっきとした法律違反。経営者にとって都合のいい価値観に洗脳されてはダメです。

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残業代を出さないのは労基法違反です

そもそも残業代については労働基準法にもしっかりと明記されているんです。

「時間外労働に対しては賃金を支払わないといけない」と。

 

能力があろうが、なかろうが、余分に働いた労働に対して残業代を出さないといけない。

それを出さないというのは労基法に違反しているんです。「要領が悪いお前の責任だ」という問題じゃないんですよ。

会社は週40時間以上働いている社員には残業代を支払う義務がある

労働者の就労時間については『法定労働時間』と言って、その上限が労基法で定められています。

「労働者に1日8時間、週40時間を超える労働をさせてはならない」

このように、原則として上記の時間以上は従業員を働かせてはいけないと決まってるんです。

 

しかし現実問題、繁忙期などはどうしても法定労働時間をオーバーしてしまうこともある。

でもその場合は『時間外労働』と言って、基本給から計算した時間単価に25%分を割り増しした賃金を支給することになってます。

 

つまり社員にサービス残業させるのは労基法を破った違法行為にあたります。残業代を支払わない経営者は犯罪者なんです。

就労時間内に仕事が終わらないのはマネジメントの問題

社員のスキルによって、業務の進行スピードには差が出ることもあるでしょう。それによって仕事が終わる時間にも違いが出てくる。

 

だからと言って、その時間の違いを個人のせいにして、残業代を支払わなくてもいいとはなりません。

就業時間を管理するのも会社の責任ですよ。法定労働時間内に仕事が終わるように、個人の能力や仕事量を把握してマネジメントするのは会社の役目です。

 

長時間労働は個人の能力だけが原因ではありません。時間内に仕事が終わらないのであれば、それは会社のマネジメントが失敗しているだけ。その責任を個人に負わせるのはおかしい。

もし会社からサービス残業を強いられたらどうすべき?

とにかく残業代が出ないのは会社側が絶対的に悪い。あなたの能力は関係ありません。

その成果がどうであれ、実際に行ったら労働に対して賃金が支払われないのは間違っています。

残業代の請求は従業員の権利です

会社に言いくるめられて、今までは「残業代は出ないもの」と思い込んでいたかもしれません。

でも残業代の未払いはれっきとした労基法違反で、従業員側はその支払いを請求することができるんです。これは法律でも認められている労働者の権利です。

 

しかも法定労働時間を超える労働に対しての賃金は、割高で計算されるようになってる。

例えば1時間当たりの単価が1,500円だとしたら、25%上乗せされた1,875円が残業1時間に付き支払われないといけないんです。

 

これが毎日3時間残業しているとなると、どうでしょう?

1カ月で22日出社していると考えると

1,875円×3時間×22日=¥12,3750

なんと12万円以上の残業代をもらっていない計算になります。

 

これを「ウチは会社はどうせ出ないから...」で済ませてしまうのはもったいない。むしろ払ってもらって当たり前なんです。

場合によっては転職も考えた方がいい

残業代を請求するのは労働者の権利だとは言え、実際に会社相手に争えるかというと、行動に移せる人は極わずかでしょう。

 

今後も仕事を続けていくことを考えると、大人しくしてた方がいいですからね。争って変に目を付けられると働きにくくなりますから。

 

労働時間も我慢できる範囲ならまだいいかもしれませんが、そうでないのなら転職も考えた方がいいと思います。

 

どのみち従業員の扱いをないがしろにする会社に未来はないです。残業代以外にも我慢できない部分が出てきて、その内、辞めたくなるのが目に見えてる。

「仕事が遅いのは個人の能力のせい」は経営者の言い訳に過ぎない

ブラック企業の経営者は、あの手この手で労働者を搾取しようとしてきます。

労働環境や社員の待遇が悪いのは、あたかも現場の人間のせいみたいに言ってきますが、それにダマされてはいけません。

 

帰りが遅いのも、休みが無いのも、給料が安いのも、すべては会社が悪い。

それを改善できないのは経営者が無能だからです。もしくは事業として失敗しているだけ。

 

そのツケを押し付けられるなんてバカらしい。ぜひとも経営者の都合のいい口車にはのせられないでくださいね。

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