ブラック企業の洗脳体験談!厳しさを愛情と勘違いさせるその手口とは

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唐突ですが、あなた洗脳にかかってません?

まあ、ほとんどの人はこう聞かれても「かかってないよ、俺はいたってまともだよ」と言うでしょう。

 

でもそれって本当ですかね?

 

洗脳されている人間というのは、自分では「おかしなことをしている」とは思っていません。人に操られているという自覚がないんです。

 

かつては僕も会社からの洗脳にかかっていたことがあります。今思えば都合よく使われているだけなんですけど、当時は「社員のことを真剣に考えてくれるすばらしい会社だ」なんて思いながら一生懸命働いてました。

 

ブラック企業の洗脳は本当に闇が深い。利用されていることに気付かないまま搾取され続け、人生を棒に振ることになる。

 

今回は僕が体験したブラック企業の洗脳の手口についてお話しします。この記事を読むことによって、一人でも多くの人の目が覚めるきっかけになってほしいです。

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実録!僕が受けたブラック企業の洗脳の手口

マインドコントロールされている人間の行動って、普通の人から見ると本当に理解しがたいものがある。

例えばウチの会社では、上司から殴る蹴るなどの暴力を受けても、それを「教育」と受け取って感謝する風潮さえありました。「ここまで真剣に教えてくれてありがとうございます」みたいな。

 

これを聞いてどう思います?はっきり言って異常でしょ?

でも本人はおかしいとは思っていません。いたって真剣に暴力に感謝しているんです。

 

洗脳されている人って、ここまで心理操作されてしまうものなんです。ではその手口を一つ一つ説明していきますね。

手口その1.キラキラした将来を見させる

僕が就職したのは従業員が30名ほどの小さな会社。パッと見は普通の営業会社でした。

ちょっと違和感があるとすれば、社長がとても派手なこと。身に付けるものは全てブランド品だし、車もベンツやBMWなどの高級車でした。

 

当時は「イケイケな社長だな」ぐらいにしか思っていませんでしたが、しかし今から思うとこの派手な格好もちゃんと意味があったんですねー。

 

社長が派手な格好をする理由。それは

「俺のように良い暮らしがしたくないか?頑張ればお前らも俺のように稼げるぞ」

ということを社員にアピールするためです。必要以上にセレブ感を出していたのは、若くて成功している社長に憧れさせるのが目的だったんです。

 

社会に出たての新人って、こういったのに弱い。豪華なライフスタイルを見せられると「こんな世界もあるんだ!」と憧れちゃうんです。このとき僕もすっかり「社長すげー」と心を奪われてしまいました。

 

洗脳の第一段階は、社員にキラキラした将来を見せることから始まります。

 

「ロレックス欲しいだろ?」

 

「女にモテたいだろ?」

 

「お金欲しいだろ?」

 

「BIGなれるぜ、仕事で結果出せば」

 

このように煽り、社員をその気にさせます。そして「この人に付いて行って俺も成功してみせる!」という気持ちにさせるわけですね。

 

“社長への憧れ”は、やがて「社長の言うことを何でも聞く」という土台となってきます。

さて、ここからどんどん操られていきますよ~。

手口その2.相手の人格を徹底的に否定する

キラキラした将来に憧れてヤル気を出した僕。しかし入社したての新人がそんな簡単に結果が出せるわけありません。奮起したのはいいけど、契約がまったく取れない日々が続きました。

 

そこで待ち受けていたのは“上司からの激詰め”です。あらゆる暴言でめちゃくちゃ怒られました。

「お前、仕事舐めてんのか!この給料泥棒が!」

「これぐらいの事もできねぇの?バカ?」

「無能すぎるにもほどがあるだろ!」

言葉の暴力だけでなく鉄拳制裁もありましたよ。僕は成績が悪かったので日常的にぶん殴られてました。今から考えたら本当にありえねー。

 

まぁこんな日々が続けば、当然ながらついて行けなくなります。毎日のように怒鳴られ、殴られてたら、そりゃ心折れますよ。

 

しかしこれが会社の目的です。やり過ぎとも言える激詰めは社員の自信を徹底的に叩くことにあったんです。

 

コテンパンにヘコまされた人間は自己肯定感がなくなります。「俺ってダメなやつだ~」という心理になるわけです。

 

このように精神的に弱っているときって、人からつけ込まれやすいですよね。失恋直後に優しくされると、その人のことを好きになっちゃうようなもん。ブラック企業はそこを狙ってくるわけですよ。

 

ついて行けなくなり、もう諦めようかと思ったところへ、すかさず社長のフォローが入ります。

「お前は目標達成のために限界まで努力したか?」

「ここで辞めるのは単なる甘えじゃないのか?」

「俺がここまで言うのは、お前を成功させたいからなんだ」

今までめちゃくちゃ厳しかったのに、急に優しい言葉で励ましてくるんです。

 

人間ってこんなことで心を許してしまうんですよね。「僕のようなダメな人間に、この人はここまで親身になってくれる」みたいに思っちゃうんです。

 

茶番だと思いますか?僕も当事者じゃなかったら「そんなことで引っかかるかよ」と鼻で笑っていたと思います。でも実際に経験してみると、本当にコロッと騙されちゃうんですよ。

 

後から分かったことですが、これって典型的なマインドコントロールの方法らしいですね。緊張と緩和を繰り返すことによって相手を支配していく。DV男が女をコントロールするのと同じ手口です。

 

すっかり相手の術にハマった僕は、以前にもまして社長を崇拝するようになります。「やっぱり頑張ります!」と、ヤル気を取り戻し、続けていくことを決意することとなりました。

さぁ、どんどん泥沼にハマっていきますよー。

手口その3.甘やかすときはとことん甘やかす

さて、基本的には厳しく緊張感の漂う職場ですが、その中でも『親睦会』という名の飲み会がたびたび行われます。

その飲み会では、普段では想像できないぐらいの飲めや騒げやの大騒ぎ。キャバクラなどにも連れていかれ、とことん羽根を伸ばさせてくれます。

 

もちろんですが、これもただ遊ばせるだけでは終わりません。『アメ』を与えることによって、洗脳をより強固にするのが目的です。

 

ブラック企業って、こういったアメとムチの使い方がメチャクチャ上手い。

  • 厳しくした後にフォローを入れる
  • 仕事の合間に遊ばせて息抜きをさせる

社員の心理状態に合わせて『ご褒美』と『罰』を交互に与え、上手にコロコロと転がしていくんです。

 

そのアメも「褒める」とか「ご飯」とか、質素なものじゃなくて「女」と「酒」ですからね。これがなかなか破壊力が大きい。

 

ついこの間まで学生だった人間が、そのようなきらびやかな世界を見せられると一発でやられます。「ウチの会社ってここまでしてくれるんだ」と、社長への信仰心をさらに強めていくことになる。

 

このようなことが繰り返され、やがてはブラック企業にどっぷりと染まっていきます。

実際は会社にいいように使われているだけですが、本人はいたって真剣に「面倒見がいい素晴らしい会社」だと思い込んでいる。

 

洗脳もここまでくると簡単には抜け出せません。

最初に自己肯定感をぶっ壊されているので、理不尽な扱いを受けても「自分が悪いんだ」と卑下するようになっています。そして、ちょっとしたフォローにも過剰に感謝するような教育も徹底的に施されている。

こうして会社が言うことには何でも従う社畜の出来上がりというわけです。

ブラック企業の恐ろしさはパワハラやモラハラだけではない

ブラック企業と聞くと、パッと頭に思い浮かぶのはパワハラ・モラハラなどのハラスメントや、長時間労働・低賃金といった待遇のことでしょう。

 

確かにそれらもブラック企業が持つネガティブな要素の一つですが、個人的にはこの洗脳が一番恐ろしいと思ってます。

 

人生を犠牲にしながら会社のために働くわけですよ。自分の意志で。

搾取されていることに気付かずに、自ら奴隷として働くように誘導されるって、めちゃくちゃ怖くないですか?

 

自分の働き方を振り返って思い当たるフシがあるなら、一度、会社を疑ってみた方がいいと思います。

パワハラやモラハラの後にフォローを入れてきて、それを正当化されたことはないですか?

残業や休日出勤を個人の能力のせいにして、劣悪な労働環境を受け入れるように仕向けられてはないですか?

 

「自分が納得して働いてるんだからいいんだよ!」じゃないですよ。それって正に洗脳されている人間のセリフです。

ブラック企業のために人生を犠牲にするのはバカげてます。もっと自分の生活を大切にしてください。僕のような人間がこれ以上、出てこないことを望みます。

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