お前はもっと愛社精神を持て!
社会人であれば一度は聞いたことがあるであろうこの言葉。
ウチの会社でもしょっちゅう言われます。そりゃもう毎日のように。
例えば
- 会社の売上に対して真剣じゃない
- 備品の扱い方が雑
- 同僚に対しての思いやりがない
このように”会社の不利益になると思われる行為”をすれば「お前には愛社精神が足りないんだよ!」と怒鳴られる。
そうすると段々と刷り込まれていくんですよね。
「社会人たるもの愛社精神は必要なのか?」
なんて考えるようになる。
会社の発展のために頑張ることが、従業員としての義務かのように思えてくるんです。
このように、社員に愛社精神を刷り込ませてこようとする会社は他にもたくさんあると思う。
でも騙されちゃいけませんよ。
「会社のために」なんていう価値観を受け入れていれば、会社にこき使われるだけです。
愛社精神を持つ必要は一切ありません。
「愛社精神を持て」は従業員を都合良く使うための詭弁に過ぎない
そもそもなぜ会社は事あるごとに「愛社精神を持て」と言うのか?
上司からは
- 自分の会社に誇りを持てば仕事の質が上がる
- 会社に恩があるのなら恩返しして当然
- 愛社精神を持つことで団結力が高まる
この様な理由をあげてくる。
他にも何だかんだ理由付けをしてくるけど、要は「従業員としての責務を果たすため」と言うわけだ。
でもそれって愛社精神がないとできないことなの?僕はそうは思わない。
待遇に満足していれば社員のモチベーションは維持できる
愛社精神なんて無くったって、社員はヤル気を持って働きますよ。
ただそれは「労働が正当に評価された場合」に限りますけどね。
会社からいい待遇を受けていると本人が感じていたら自然とモチベーションは上がります。そしてそれは仕事にも現れます。
わざわざ愛社精神なんて押し付ける必要はない。
仮にやる気のない社員がいたら、それなりの評価をすればいいだけです。
何を言ったってやらない奴はやりません。むしろ抑えつけるようなやり方をすればさらにやる気を失う。
正直、愛社精神を持たせるなんて上司の自己満足なんですよね。会社側、従業員側、双方にメリットがあるとは思えない。
社員というものは、待遇に満足していればちゃんと頑張ります。不満があればそれなりの仕事しかしません。
給料以下の仕事しかしないなら査定をし直せばいい。
それだけのことだと思うんですけどね。
精神論は不当な責務を負わせるときに使われる
労働に見合った待遇を与えれば自然と社員は頑張ります。
しかし会社はそうしようとはせず、愛社精神を植え付けて、それをやる気に変換しようとしてくる。
結局は、できるだけ給料を払わずにコキ使いたいだけなんですよ。
- 恩を返すべきだ
- 社会人としての責任
- 会社に誇りを持つのは当然
といった精神論にすり替えて、給料以上の労働をさせるために”愛社精神”という言葉を利用しているんです。
そりゃ会社からしてみたら、見返りもなく「会社のために頑張らないと」と思ってくれた方が楽ですよ。
タダ働きしてくれる社員がいるなんて、これほど会社にとって嬉しいことはない。
忠誠を強要するのは、会社にとってそっちの方が都合がいいからなんです。
「社会人として~」とか「社員としての責務を~」なんて建前に過ぎません。
愛社精神を持ったところで会社は守ってくれない
僕が愛社精神を持つだけ無駄だと思うのは、会社に尽くしたところで見返りが全然ないからです。
昔と違って、今では正社員になったからといってその身が保障されるわけでありません。
定年まで働けるかどうかも分らない。業績が傾けばすぐリストラです。
そんな状況の中、会社に忠誠を尽くす意味って何でしょう?
給料は上がらない。いざというとき守ってくれない。
それなのに会社に対して愛情を持てだなんて、一方的で都合のいい話だとは思いませんか?
自己犠牲の精神なんて持っていたら、ガンガン搾取されていくだけですよ。
だからそんなものは必要ないと言いたいわけです。
会社への忠誠心から洗脳にハマった話
愛社精神の危ういところは「会社のため」と思い込んで、搾取されていることに気付かないことです。
いわば洗脳されている状況と変わりません。
意思をコントロールされて、自覚がないまま奴隷のような扱いを受け続けるのですから。
僕もかつては愛社精神を持って頑張っていました。
- 会社の役に立ちたい
- 上司の期待に応えたい
そう思って業務に取り組んです。
その結果、どうなったかというと労働力を搾取され続けただけです。
低賃金で長時間労働を強いられ、いまだにその環境から抜け出せず苦しんでいます。
就職先が過剰に「恩」と「感謝」を押し付ける会社だった
ウチの会社は社員教育の際に精神論を多用します。特に人間性の部分については異常なほど口うるさい。
- 受けた恩は絶対に忘れるな
- やってもらったことには感謝しろ
このようなことを徹底的に叩き込む。
ときには怒鳴りつけ、ときには鉄拳制裁も辞さないという徹底ぶり。
それによって社員は「恩」と「感謝」を強く意識するようになる。
これは『返報性の法則』を利用した洗脳です。
人は他人からしてもらったことに「借りを返さなければ」という心理が働く。
「恩」と「感謝」の必要性を植え付けることで「会社にしてもらったことは返さないといけない」という義務感が生まれるんです。
愛社精神を「やりがい搾取」につなげていた会社
「受けた借りは返す」という価値観が社員に浸透すれば、あとはちょろいもんです。
ちょとした恩を与えれば、社員は勝手に感謝して、それが愛社精神につながります。やがては会社の都合の良いように働く奴隷の出来上がりと言うわけです。
「恩」といっても大そうなことではありません。
ご飯に連れていったり、仕事の相談に乗ってやったり、軽く面倒を見るだけでいいんです。
社員はすでに洗脳されていますから「俺のためにここまでやってくれている」と勝手に思い込みます。
- 会社からの評価されて嬉しい
- 上司に認められるのが楽しい
劣悪な待遇に関わらず、このように思うようになったら終わりです。
もう簡単にはブラック企業の搾取からは抜け出せないでしょう。
愛社精神は断固として「必要ない」と言える
愛社精神なんぞ、持つものではありません。会社への情を利用されて使い潰されるだけです。
好待遇を与えてくれる会社なら恩を感じるのもいいでしょう。
成果を正当に評価してくれるのであれば、会社のために頑張るの悪くないのかもしれない。
でもそうじゃないのなら、愛社精神なんて持たない方がいい。
別に「働かせてもらっている」わけじゃない。
会社と従業員は
- 仕事した分だけ給料をもらう
- 給料を払った分だけ仕事してもらう
という対等な関係にすぎません。
あまり会社を信用しすぎたり、依存していたりすると、後で身を滅ぼすことになりますよ。
愛社精神を持ったばかりに社畜人生を歩むことになった僕からのアドバイスです。
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